
					
							アレキサンドライトの一番の特徴は
							カラーチェンジ(変色性)です。
							自然光のときは青緑→人工光のときは赤紫
							地の色がしっかりとして変色性が強いものがより高価です。
						
					人工処理(加熱・樹脂含浸・放射線照射等)を
					施せば、アレキサンドライトのいのち
					「変色性」を失います。
					なので、アレキサンドライトのもう一つの
					特徴は、変色性の裏側に隠された
					「無処理宝石特性」(=処理による素材
					劣化のないナチュラルな美しさ) なのです。
				
				
					
						天然の内包物のことで
						天然の証なんですが、
						価値的なところでいうと
						少ない方がより高価です。
					
						アレキサンドライトは
						透明なインクリュージョンが
						多く、大きく色を分類して
						透明・白・黒の3種類
					
					
						・皇帝の宝石「アレキサンドライト」
						・サファイアの王「パパラチアサファイア」
						・ネオンブルーの輝き「パライバトルマリン」
					

					
						※下記の処理が確認されると
宝石の評価はゼロです。
特に合成アレキサンドライトは
増えております。ご注意を!

					
						アレキサンドライトにとって一番価値が
						高く取引されるカットは"オーバル"です。
						どのカットでもバランスが良くエッジが
						シャープな方がより高評価です。業界では、
						カットが良い="顔が良い"と表現します。
						つまり、美人がより品が立つということです。
					

						
							高品質のアレキサンドライトとは
							ブラジル ミナス・ジェイラス州の
							ヘマチタ鉱山で採掘された
							地の色がしっかり
							して変色性が
							強くインク
							リュージョンが
							少ない(無い)
							もので顔が良い
							オーバルカットの
							ものが価値が高い
							
							あとロシア産も
価値が高い
						

								帝政ロシア時代のウラル山系タコバヤ川流域の花崗岩地帯から、深緑色に異様に光る原石を掘り当てた鉱夫は、「もしやエメラルドでは?」と胸を弾ませて加工場に持ち帰り、改めてロウソク灯で照らして見直すと、グリーン系だった筈の石が、何と赤色石に“変身”していたのです。これは神がかりか、はたまた天が何かを知らせる超常現象かなどと真剣に考えたそうです。石はノボシビルスク(西シベリア)の王立科学アカデミーに持ち込まれて、「クリソベリルの一種」と判定しますが、変色のマジック解明は、当時の科学水準を越えていました。
								謎に包まれた神秘的なその石は、時の皇帝ニコライ一世に献上されることになります。石と皇帝が出会ったその日1830年4月29日は、たまたま長男アレクサンドル・ニコライエビッチ皇太子12歳の成年式典日だったことから、皇太子(後の皇帝アレクサンドル2世)の名が宝石名になりました。
							
アレキサンドライトはクリソベリルの変種鉱物です。 変種とは文字通り変り種(かわりだね)、地色が蜂蜜色(ハニーカラー)のクリソベリルの突然変異的な変り種なのです。変異の主因は、クリソベリル結晶の成長途上で紛れ込んだ「クロム元素」。あのルビーの「レッド」やエメラルドの「グリーン」の“主役”になっているクロムが、ここでも主役を演じます。それも一人二役の名人芸。つまり、光源によって色を二通りに出し分けるという離れ技をやってのける。さて、その仕掛けは―――クリソベリル結晶内に紛れ込んだクロム元素は、注ぎ込む光のうち“黄橙”系の波長(色)を「吸収」し、そして“青緑”系及び“赤紫”系の波長(色)を「反射」するような光学構造に変質させてしまう。
							
						光源が自然(太陽)光或は蛍光灯のときは青緑色だけを反射し、人工白熱光のときは赤紫色だけを反射する。この絶妙な光学作用は、クロム含有率が高ければ高いほど(最高品質のロシア産は0.5%)よりクリアに現れます。――変色の鮮やかさが際立つこの宝石は、堂々「5台宝石」の一角を占めますが、色そのものの鮮やかさはエメラルドの緑、ルビーの赤には及びません。並の宝石であれば“ではここで人工的に色の改善を!”――となるのが通例ですが、ことアレキサンドライトに関してはそれがありません。人工処理(加熱・樹脂含浸・放射線照射等)を施せば、この宝石のいのち「変色性」を失うからです。アレキサンドライトのもう一つの希少性は、実に変色性の裏側に隠された「無処理宝石特性」(=処理による素材劣化のないナチュラルな美しさ)に支えられているのです。
さらに2000年代に入って、ブラジルから遠く離れたナイジェリアやモザンビークなどのアフリカ諸国からも同様の含銅トルマリンが産出されるようになり、そのネーミングに物議を醸しました。また、パライバ・トルマリンのほとんどは鉱物学的にエルバイトという種類に属しますが、モザンビーク産の一部のものはリディコータイトに属するものも知られています。現在では原産地や鉱物種に関係なく、青色~緑色の含銅トルマリンは広義でパライバ・トルマリンと呼ばれ、変わらぬ人気を持続しています。
変色鉱物アレキサンドライトの処女地ロシア・ウラルの鉱山は、発見から数十年で枯渇、入れ替りにブラジル・ミナスジェライス州エマチータ鉱山等が良質のアレキサンドライトを算出して宝石界を色めき立たせたのも束の間、僅か十数年で掘り尽されました。また宝石定番国スリランカ、マダガスカルでも産出しましたが、同じく鉱脈は枯渇。今日、現役稼働しているアレキサンドライト鉱山は、唯一東アフリカのタンザニアです。キリマンジャロ火山の麓マ二アラManyara湖の周辺に広がる漂砂鉱床から上質のアレキサンドライトが採掘されています。鉱山の位置するマニアラ湖自然国立公園へのルートは、インド洋に面したタンザニア首都ダル・エス・サラームのジュリウス・ニエレレ国際空港から国内線(又はタンザン鉄道)で内陸へ西北500余キロのアリューシャへ。そこから陸路で更に西南へ約300キロ、未舗装の難路を走ってようやくマニアラ鉱山着。同地新産アレキサンドライトの大粒石市場相場は、今なおカラット単価3,000ドルは下りません。そして最新の鉱山は、南の隣国モザンビークとの国境付近トゥンドゥル川漂砂鉱床。「見果てぬアレキの夢」がつながる場所です。

